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明日の為の経済ビジネス情報


第121回 危機管理(8.明日のエネルギー戦略2)

2011年5月30日(月)
原子力を叩き自然エネルギーを増加させると、エネルギー危機を脱し電力不足等問題は解決するかといえばそうではない。節電は行われるがそれだけで問題は解決しない。
そこは事の本質を考えていかなければならない。
脱原発を考えた場合問題は多い。それを、挙げてみよう。
(1)脱原発により、化石燃料輸入しなければならない。これがコスト高になり電気料金上昇となる。
(2)過去低価格の原子力発電の利益によって、電力会社により自然エネルギーの高額買い取りが行はれていたが、これが難しくなる。電力会社は営利企業であり赤字を継続して営業を続けることは出来ないので電気料金が値上がりとなり、電力利用者はこれを受け入れる用意がいる。
(3)電気料金値上がりによる工場の海外流出は雇用減少に繋がる。
(4)電力供給が天候に左右され不安定な太陽光発電の割合が増えると、天候の変化で電力の品質の低下で広い地域で停電が起きる可能性がある。実際にアメリカのテキサス州のように自然エネルギーによる発電の割合の大きな州では発生しており、巨額の費用をかけて急速起動が可能なガスタービンを設置したり、反応速度の速いリチウムイオン電池を設置している。
(5)中国の経済成長、及び国内での原子力発電の代替燃料としての化石燃料の使用で、石油、LNG、石炭の価格上昇が見込まれる。
安定的エネルギーの供給は多種のエネルギー資源使用とメタンハイドレート等国産エネルギーの開発が急がれる。原子力発電のメリットを考えると安全性の徹底した追求と改善を行いながら継続することは避けられない。
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編集後記
人類は戦いが好きだ。誰かを悪と決め付けたなら徹底的に叩く、今その悪とされているのは東京電力だ。
マスコミは徹底的に叩いている。それが、本当に電力利用者にメリットがあるか無いかは考えていない。批判ありきで事の利点と副作用を的確に探ろうとしていないことが多い。
電力会社が原子力発電を推進してきたのは、電気料金が安価であり、顧客にもメリットがあるからである。
我々電力利用者は、我々のより良い未来のために物事の本質を考え、危険であれば安全性を改善し、過去の教訓を基に未来を考えた取り組みを行わなければならない。それが危機管理である。目先の批判だけに集中していると未来を見失う。
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今日の外来語言い換え辞典 (国立国語研究所外来語言い換え提案引用)
バリアフリー<障壁なし> 全体 ★★★☆ 60歳以上 ★★★☆
意味
 体の不自由な人でも支障なく活動できるような生活環境
使用例
 高齢化に対応し,周辺道路を拡幅するなどして,駅からマンションまでをバリアフリー【障壁なし】にする。
その他の言換え語例
<無障壁・段差なし・障壁除去>

要望問い合わせ他

作成2011.05.29
更新2011.05.30
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