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明日の為の経済ビジネス情報


第133回 なぜ円が買われるか

2011年8月22日(月)

よく円が買われる理由として消去法で円が買われたといわれるが、今回の米国の財政状況、国債発行残高の対GDPの割合は日本のほうが大きく財政的不安要素も多い。
では、円が買われる三つの理由として挙げられるのは、
(1)貿易黒字、(2)国債の国内消費(海外の購入者は少ない)、(3)1400兆円を越える貯蓄残高
しかし、これらはこれから維持されるものではなく変化が現れている。
(1)貿易黒字
近年月単位で貿易赤字の月も増えており、企業の海外流出、新興国の台頭もあり今後他の先進国と同様貿易赤字に陥る可能性が増加している。
(2)国債の国内消費(海外の購入者は少ない)
海外中銀は米ドルに偏っていた外貨準備の構成を見直しており、円建て資産の積み増しもその一環。円高傾向の要因のひとつになってきている。
(3)1400兆円を越える貯蓄残高
今日本の貯蓄額が多い年齢層は高齢者である今後年金試算とともに消費され、今後20年で次世代に残される貯蓄は激減していくことが考えられる。

いずれにしても、世界経済はドル円ユーロ等の通貨により一体的になっており、一国の財政等の信用不安が世界経済に悪影響を及ぼす時代になっており、世界同時不況など起こらない枠組みを協議構築していく必要がある。
☆♪――――――♪
編集後記
 先日京都に行楽に出かけたが、去年と違っているのは外国人観光客があまり見かけなかったことである。
観光客の減少は東日本大震災の影響か、円高の影響かであるのだろう。
経済においても同様の影響が出ている、過去の良き時代ではないことを認識しつつ、厳しい時代を乗り越えるしかない。
☆♪――――――♪
今日の外来語言い換え辞典 (国立国語研究所外来語言い換え提案引用)
ボーダーレス<無境界・脱境界> 全体 ★★☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆
意味
 境界が薄れて存在しない様子。また,そのようになること。
使用例
・政党としての独自性などという言葉が聞かれなくなるほど政党はボーダーレス【無境界】の時代を迎えている。
・不況から抜け出せない時代を象徴した芥川賞,ボーダーレス【脱境界】が進む多民族社会を描いた直木賞と,それぞれに現代に生きる人間を切り取った作品だ。
<境界なし・無国境・脱国境・国境なし>

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作成2011.08.21
更新2011.08.22
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