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第160回 円高、デフレ経済と膨張する債務残高の日本

2012年10月8日(月)

デフレ経済はインフレ経済よりも経済に深刻な影響がある。
円高、デフレ経済と膨張する債務残高の日本の処方箋は有るのか
1.円高経済とデフレ
円高要素として海外に比べ物価安定又は物価下落がある。
海外資金の逃避先として物価安定の円を選んでいるのである。
さらに、その円高により国内産業は国内投資より海外投資を優先し国内経済がデフレとなる。
円高とデフレの展開
国内物価下落による円高→国内投資から海外投資へ移行→国内経済デフレ

2. デフレ経済が国債などの国内債務を膨張させる。
デフレ経済の悪影響の流れ
デフレ→物価下落→債務評価額増加→投資縮小→デフレ加速
軽度インフレの必要性の流れ
インフレ→物価高→債務評価額下落→投資増大

円高により円建てで発行されている債務は当然ドルなどの通貨で評価すれば膨張した評価になる。
円高は輸入品の価格押し下げにより物価下落を誘導し、国債残高の基準通貨での評価は膨張するばかりである。
いま、大きな日本経済の問題が三つある。債務超過に対し、これらの問題解決が必須である。
(1)政府総債務残高(対GDP比)でみると日本は異常な債務超過の水準である。
 債務の膨大さから、返済は困難で、解決策はインフレターゲットの確実な実行しかないと思われる。
(2)名目GDPは伸び悩み今後減少傾向の原因として、少子化、労働人口減少がある。
 解決策として、少子化対応、高齢者雇用などの確実な政策推進が必要
(2)プライマリーバランス(基礎的財政収支)が赤字
 消費税増税他税制改革、財政改革による支出見直しは避けて通れない。

参考データ
世界の政府総債務残高(対GDP比)ランキング
順位  国名  (対GDP比)地域 
1位 日本 229.77 アジア
2位 ギリシャ 160.81 ヨーロッパ
3位 セントクリストファー・ネーヴィス 153.41 中南米
4位 ジャマイカ 138.98 中南米
5位 レバノン 136.22 中東
6位 エリトリア 133.82 アフリカ
7位 イタリア 120.11 ヨーロッパ
8位 バルバドス 117.25 中南米
9位 ポルトガル 106.79 ヨーロッパ
10位 アイルランド 104.95 ヨーロッパ
11位 アメリカ 102.94 北米
12位 シンガポール 100.79 アジア
13位 アイスランド 99.19 ヨーロッパ
14位 ベルギー 98.51 ヨーロッパ
15位 モーリタニア 92.4 アフリカ
16位 コートジボワール 90.53 アフリカ
17位 イラク 86.92 中東
18位 グレナダ 86.61 中南米
19位 フランス 86.26 ヨーロッパ
20位 カナダ 84.95 北米
世界経済のネタ帳 より2011年の政府総債務残高(対GDP比)ランキングを掲載
☆♪――――――♪
編集後記
欧州ではギリシャの公務員給与の削減などの緊縮政策に対しゼネストに入っている。
欧州では共通通貨ユーロを使用しているので、債務超過国の通貨のインフレ政策を採れないのが対応政策を複雑にしている。
しかし、基本的にユーロ危機は債務超過国が多いユーロ圏全体でのインフレ政策と債務超過国の構造改革とで危機を乗り越えるしかない。
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今日の外来語言い換え辞典 (国立国語研究所外来語言い換え提案引用)
リデュース<ごみ発生抑制> 全体 ★☆☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆
意味
 ごみになるものの発生を抑制すること
使用例
 北九州市はリデュース【ごみ発生抑制】の取り組みを始めた。
その他の言い換え
<発生抑制・廃棄物の発生抑制・ごみの減量・ごみをなるべく出さないこと>


要望問い合わせ他

作成2012.10.07
更新2012.10.08
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